【石材店スタッフコラム】祖母の考え、父の思い

墓地の購入に関して、お客様から届いた声をご紹介します。

実家の父はずっと自分たちのお墓を建てたい、持ちたいと思っていたようでした。

私の実家は祖父の代で九州から関東に移り住んで来たのですが、お墓はずっと父方の親類(本家)のお世話になっていました。

父にしてみれば、本家に対する遠慮とともに、心頼みにしていた父親(=祖父)を早くに亡くしたので、お墓がすぐに行けるくらいの場所にあれば心の拠り所にもなると考えていたように思います。

お寺の墓地や自治体や民間の霊園など、父は折に触れて情報収集をしていましたが、それが具体化するまではかなり長い時間がかかりました。というのも、祖母(つまり父にとっては自分の母親)は生きている間にお墓を買ったり建てたりすることを好ましく思っていなかったのです。

父がお墓の話しを切り出すと、それを遮るように祖母が「そんなことは私が死んでからでいいじゃないか」と言っていた場面を何度か見たことがありますし、「お墓をどこに買おうとか、どういうものにしようという話をされると、早く死ねと言われているように思うんだ」と話していたのを聞いたこともありました。

最初の子供を6歳でなくし、夫にも50代前半で先立たれた祖母ですから、人一倍長生きしたいという気持ちが強い人だったので、「死」を連想させる話しはしたくないという気持ちが強かったのかもしれません。

そこまで嫌がっているものを強硬に進めることもできず、墓地の購入に至ったのは祖母が亡くなったあとのこと。

父にとっては40年越しのことになりました。