様々な事情で突然お墓の購入が必要になるということがあります。
この記事を読んでいる方は、早くお墓を用意してあげて亡くなった方を落ち着かせてあげたいと思い、急いでお墓を探しているのかもしれません。
ですが、お墓は一般的に高額商品ですので、気軽に購入できるものでもありません。
焦っている時に正しい手順を踏まずに買ってしまい、あとで後悔することがないようにしたいものです。
今回は突然お墓が必要になった時でも慌てずにステップを踏んでお墓を探すことができるように、お墓探し緊急版をご紹介します。
他の石材店さんと同じように、弊社でもお墓についてご相談をいただくことがあります。
そういった際にも口頭でお伝えしてきた内容を記事にしてみました。
- 1.いますぐ出来る緊急対応
- 1-1.TODO01)すでにあるお墓に入れないか確認する
- 1-1-1.手当たり次第確認するのは止めておきましょう
- 1-1-2.お墓が重複することも?
- 1-1-3.誰がどのお墓に入るのか一般的な事例
- 1-2.TODO02)信頼できる石材店がいないか確認する
- 1-1.TODO01)すでにあるお墓に入れないか確認する
- 2.これだけは絶対!お墓の購入の勘所
- 2-1.TODO03)公営霊園の抽選会を確認する
- 2-2.いつまでにお墓を建てるという法律はない
- 2-2-1.TODO04)一周忌を目安に探す
- 2-2-2.TODO05)一周忌の三か月前までにはリサーチ開始する
- 2-2-3.一時的に納骨堂を利用するケースもある
- 2-2-4.建売なら工事期間が短い
- 3.急いでいても外せない2つの条件
1.いますぐ出来る緊急対応
まずはお墓を購入すると決定する前に、簡単にできる緊急チェックをご紹介します。
いますぐ出来ることばかりなので、この記事を読みながらも考えてみるのが良いでしょう。
1-1.TODO-01)すでにあるお墓に入れないか確認する
どなたが亡くなったかによっては、新しくお墓を購入するのではなく、すでにある家族や親族のお墓に遺骨を納めることができるかもしれません。
これはお墓を考える上で非常に大事なことなのですが、どのお墓に誰が入るのかは法律で決まっているわけではありません。
つまり、法律ではなく慣習で決まっているという事なのです。
ではどのような慣習なのかというと、
・墓地の管理者の承諾や管理規則に抵触しないこと
・身内の合意
の2つがそろえば誰がどのお墓に入っても良いという考え方です。
大切なのは話し合いになります。
とはいえ一般的な事例というのは親族のお墓に親族が入るということになりますので、どんなに仲が良くても友達のお墓に入るということは難しいかもしれません。
ひょっとすると身内の合意は取れるかもしれませんが、血縁のみがお墓に入ることができるという管理規則を設けている墓地も多いのが現状です。
墓地と身内の両者に確認を取りましょう。
1-1-1.手当たり次第確認するのは止めておきましょう
お墓に入れてもらうというのは、通常は「お願い」になります。
・経済的な理由などから、新規でお墓を購入することができない
・生前とても仲が良かった姉妹なので一緒のお墓に入れてあげたい
・遺言があって誰々と一緒のお墓に納骨してあげたい
などの理由がある場合のみ、ピンポイントで関係者に相談するに留めておきましょう。
1-1-2.お墓が重複することも?
ごくまれに、亡くなられた方が先祖代々のお墓を承継していることを失念してお墓を購入してしまうというケースもあります。
もしも亡くなられた方がお墓の承継者であるなら、そのお墓に入るのが一般的になりますので、そのあたりの事実関係も確認しておきましょう。
※何らかの理由で承継していたお墓には入れたくないという場合は、新たに用意することは全く問題ではありません。
1-1-3.誰がどのお墓に入るのか一般的な事例
一般的な事例をまとめた図を掲載しておきます。
詳しくは以下の記事にも載っていますのでご参照ください。
⇒一目でわかる!誰がどのお墓に入れるのですか?
⇒誰がどのお墓に入れるか関連の記事
1-2.TODO-02)信頼できる石材店がいないか確認する
もしも身内で入れるお墓がなさそうだということが確認できたら、次に懇意にしている石材店がないかを確認します。
あなたが信頼できる石材店がいればベストです。
または亡くなられた方の知り合いに石材店がいたり、既に取引して信頼できる石材店がいないかどうかを確認しましょう。
相談できる石材店がいることは、非常に頼りになります。
とくに緊急でお墓が必要になった際などは、慌ただしく様々な手続きが発生します。
そんな中でも客観的にサポートしてくれる石材店は、ご葬儀や建墓のナビゲーターとして役に立つものです。
世の中は意外と狭いものですので、親族の知り合いに石材店がいるということもあります。
一度伺ってみることをオススメします。
2.これだけは絶対!お墓の購入の勘所
2-1.TODO-03)公営霊園の抽選会を確認する
・身内で入れるお墓はない
・石材店が知り合いにはいない
というケースも十分に考えられます。
この場合はお墓を購入する運びになります。
お墓を購入する際には、いくつかの選択肢があります。
・お墓を用意して供養する
・お墓以外の供養をする
大きくこの2つに分けられます。
お墓を用意して供養する
一般的なご供養の方法になります。
まずは公営霊園(公営墓地)に埋葬できるかどうかを確認することをオススメします。
公営霊園というのは、自治体が運営・管理している墓地です。
メリットは圧倒的な安さです。
デメリットは申し込み資格や制限が多いということです。
多くの公営霊園では、墓地に入れるかどうかを決めるために抽選会を開いています。
開催時期に関しては、自治体によって異なります。
自治体の広報
電話
ホームページ
などで調べることができます。
今回は緊急時のお墓探しなので、電話で問合せすることをオススメします。
役所の電話番号を調べて電話しましょう。
「墓地の抽選会について聞きたいのですが、いつ頃開催されますか?」
と訊いてみましょう。
ひょっとすると「当方では分からないので、〇〇に電話してください」と言われるかもしれませんが、めげずに電話してみましょう。
自治体によって管理している部署などが異なるため、こういった対応は仕方ないとも言えます。
目くじらを立てることなく丁寧に伺いましょう。
お墓以外の供養をする
いわゆる永代供養墓などの共同墓や散骨などの自然葬など、一般的なお墓ではない方法で供養するという選択肢もあります。
亡くなられた方の価値観や遺族の考えなどによっては十分供養になります。
お墓を用意しないから供養にならないということにはなりません。
詳しくは「どんな供養があるの?ご供養の7タイプまとめました」をご参照ください。
2-2.いつまでにお墓を建てるという法律はない
法律で亡くなった後の何か月以内にお墓を用意するという決まりはありません。
中には手元に置かれる方もいらっしゃいます。
・早く納骨しなければならない
・四十九日までにお墓を用意しないといけない
というのは、単なる慣習にすぎません。
慌てて用意して後悔しないために、様々なことを記載してきましたが、ここからは慌てていても絶対に押さえておいてほしい項目になります。
2-2-1.TODO-04)一周忌を目安に探す
そもそも、特別な事情がない限りはお墓の購入を慌てる必要はありません。
四十九日までに用意できなくても一向に構いません。
四十九日に納骨するというのは、すでにお墓がある場合と考えても良いでしょう。
新たにお墓を購入する場合は、一周忌を目安にお墓を用意すれば問題ありません。
一周忌の際に、法要とともに納骨もするというのはよくある流れです。
2-2-2.TODO-05)一周忌の三か月前までにはリサーチ開始する
緊急でお墓を探している!というテーマですが、
・身内のお墓に納骨することはできない
・信頼できる石材店が決まってない
・公営霊園では都合が合わない
という場合は新規にお墓を用意するとなるかと思います。
一般的にはお墓を注文して作ります。
その場合、工事期間として1から2か月は見る必要があります。
従って一周忌の法要で納骨するという事を念頭に置くと、それよりも2か月前には石材店や墓地との契約を決めておきたいということになります。
また、後述する現地見学などのリサーチ期間を考えると、お墓購入に向けて動き出してから2から3か月くらいでお墓が用意できると言えます。
2-2-3.一時的に納骨堂を利用するケースもある
手元に遺骨を置いておくのではなく、お墓が出来る間だけでもどこかに納骨しておきたいと言う場合には、最近増えてきている納骨堂というサービスを利用する手もあります。
納骨堂に預けている間にお墓の準備を進めるというパターンになります。
2-2-4.建売なら工事期間が短い
すでに墓石を建立した状態で販売している墓地もあります。
すでに建立した状態とは家でいうところの建て売りのようなものです。
それであれば工事期間などは比較的短いでしょう。
3.急いでいても外せない2つの条件
どんなに緊急的にお墓を探していたとしても次の事柄だけは押さえておいてください。
お墓を探す時にコレダケは知っておきたい6つの事前知識もご参照ください。
3-1.TODO-06)価格と距離が二大条件を押える
価格については急いでいても意識せざるを得ないので通常問題にはなりません。
一方距離については妥協した結果、とてもお墓参りしづらかったという事態が予想されます。
家からお墓までのかかる時間と、そこまでの交通の便が良いかどうかを考えましょう。
これは一度実際にお墓に行けば分かることでもあります。
また、片道1時間以上かかるお墓参りでは、頻繁に行くには適していません。
遺族が年に何回くらいお墓参りに行くのかといった点や、遺族の住居とお墓の距離なども含めて検討しましょう。
3-2.TODO-07)どんなに急いでいても現地見学はする
上述のように、距離感と交通の便を確認するためにも現地見学は絶対必要です。
家を見ずに家を買うようなものですので、お墓を買うという事は現地見学をすることといっても過言ではありません。
しつこい営業にあうのではないかと不安かもしれませんが、3から5か所程度は現地見学することをオススメします。
この時、あまり神経質に墓地の設備や周辺施設を気にするよりは、ご自身が行ってみて感じたことを重視してください。
膝が悪いのであれば、自然と坂道や階段には気が付くものですし、
車の運転が苦手であれば、自然と細い道は嫌だなと思うものです。
1人1人価値観が異なるので、テンプレートとしてのチェックリストを用意するよりは、自分の価値観で墓地を見てみてください。
心配な方は、事前にチェックリストを作っておきましょう。
また、心理的に・時間的に少し余裕があるのであれば、現地見学の前に資料請求を行ってみることをオススメします。
資料請求時の対応や、資料請求後にしつこい営業などをしてきて嫌だなと思う墓地は最初から選択肢から外しておきましょう。
急がば回れではありませんが、資料請求や現地見学は良い墓地との出会いにおいて重要なステップになります。